今回はサーバーハードウェアの新着情報を紹介します。サーバー機と言えば、ラックマウント型の機械のイメージが強いかもしれませんが、PCと同じサイズのサーバー機があることをご存じでしょうか?今回は、新モデルが登場する(らしい)富士通「PRIMERGY TX1320」にスポット当ててみたいと思います。
PRIMERGY TX1320 シリーズとは
富士通 PRIMERGY TX1320 シリーズは、スリムタワー型のサーバー機です。よくあるデスクトップPCのスリムタワー型とほぼ同じサイズです。下の画像は、前モデル「TX1320 M4」のものですが、今回登場する「M5」も同じサイズのようです。
2021年9月19日現在、以下のページで、新モデル「TX1320 M5」の情報が公開されています。現時点では英語のみで、日本語のページは見つかりませんでしたが、じきに日本語のページも公開されると思います。
本体のコンパクトさもさることながら、冷却ファンの騒音も少なく設計されています。そのため、事務室内に置いても、無理なく使うことができます。ただし、暑すぎたりホコリが多い場所に置くと、故障のリスクが高くなるので避けた方が良いでしょう。
新モデル「M5」は最大8コアCPUが搭載可能
大きな特徴は、このサイズでありながら最大8コアCPU(Xeon E-2388Gなど)が搭載可能という点だと思います。クラウドサーバーが普及しているとはいえ、オンプレミスのタワー型サーバーを使用するケースもまだ少なくないでしょう。小規模なシステムであれば、このサーバ1~2台で済ますことも十分あり得ます。通常サイズのタワー型サーバと比べてかなり省スペース・省電力で済みますので、設置場所の融通が利くのは非常にありがたいところです。
CPU以外だと、メモリは最大128GB、ストレージは最大8本のSSD/HDDが搭載可能のようです。また、このサイズで冗長化電源を搭載できるのも素晴らしいです。電源ユニットが1つ故障しても、サーバーが止まらないのですよ。
余談ですが、今回登場する「M5」の前モデル「M4」でも、当初は8コアCPUが選べたのですが、2021年9月現在では最大6コアCPUまでしか選べなくなっているようです。理由は不明ですが、新モデルの登場によってまた8コアCPUが選べるようになるようです(個人的には、10コアCPUを期待していたのですが…)。
他社製品では代替できない?(2021年9月時点)
このサイズで8コアCPUが搭載できるサーバー機は、現時点で他になさそうです。例えばDellやIBMは、コンパクト型のサーバー自体がラインナップに無いようです。HPE(Hewlett Packard Enterprise)は「ProLiant MicroServer」というコンパクト型タワーサーバーを出していますが、CPUは最大4コアまで。NECの「Express5800/T110j-S」は、サイズ等含めて近いものの最大6コアまで。いずれも記事執筆時点の情報です(NECは次モデルで追随する可能性ありか)。
省スペースかつそれなりに高性能なタワー型サーバーというのが、国内メーカーからしか出ていないところを見ると、海外では需要が少ないのかもしれません。しかし、小規模でオールドスタイルなシステムでは非常に使い勝手が良いので、このタイプのサーバーは今後も出続けてくれたらな、と思います。
ところでPCじゃだめなの?
「これだったらサーバー機でなく、ハイスペックなPCを選べばいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、PCとサーバー機では、部品の信頼性が全然違います。PCとは違って、サーバー機は24時間稼働を前提にして設計されているため、故障しにくくなっています。
あとは、そもそもOSがWindows Serverの場合、サーバー機でないと正式にサポートされていません。このあたりは以前、似たよう記事を書いていますので、以下を参考にしていただければと思います。
このような理由から、特に信頼性を要求されるシステムでは、サーバー機の代わりにPCを使うのは避けるべきだと考えています。
おわりに
今回の記事は以上です。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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