インフラエンジニアや情シスの方は、システムトラブルに見舞われた際、その原因調査・対策のためにメーカーサポートに問い合わせるケースが多いと思います。しかし必ずしも解決するわけではなく、迷宮入りになるケースも結構あります。そして解決の成否を分ける要素には、サポート依頼側の行動もあると思います。今回はこの時のNG行動を3つ紹介します。
メーカーサポートを利用するケース例
例えば、自社が運用するアプリケーションサーバーのシステムが一時的に応答不能になったが、原因は分からない。ただ、自社のアプリケーションは変更しておらず、他のサーバーは異常がない。そのためハードウェアやOSに異常があるとみて、そのメーカーのサポート窓口に問い合わせする。といったケースがあります。
メーカーサポートの契約形態は様々ですが、ほとんどは有償で事前に契約しておくものが多いです。例えば、Microsoft製品であれば、法人向けに次のような有償サービスがあります。
やってはいけないこと
NG① 切り分け調査に協力しない
メーカーサポートに問い合わせると、「〇〇ログと△△ログを採取して送って下さい。あと××を実行して結果を連絡して下さい」のようなお願いをされることがよくあります。これが正直面倒くさいのです。なので「それ本当に必要なの?面倒なことを要求して諦めさせようとしてない?」と思って、調査を拒みたくなりがちです。しかしこれは解決に必要な切り分け調査であり、これを拒めば問題の解決が遅れたり、迷宮入りする可能性が高くなります。
原因が分からない問題を解決するために、まず必要なことは「問題箇所の特定」です。メーカーサポートも、まずこれを行おうとするでしょう。上のケース例では、問題がハードウェア、OS、アプリケーション、ネットワークのどこで発生しているかをまず明らかにします。そして徐々に範囲を狭めていって原因を特定します。その後ようやく具体的な対策案を提示する、といった流れで進めるのが効率的です。
切り分けを避けて「多分OSの〇〇のせいだから、このパッチを当てよう」なんてことをやっても、下手な鉄砲のごとく大体外れます(しかも傷口を広げます)。ITシステムは非常に多くの要素が複雑に絡んでいるからこそ、一見面倒な切り分け調査から行うのが一番の近道です。メーカーサポートはそのノウハウに長けていますので、基本的に彼らの指示に従って切り分け調査を進めましょう。
NG② 高圧的に接する
「早く解決してくれないと困るんだけど!サポート料金払ってんだから今すぐ何とかしろよ!」みたいに高圧的な態度は、相手に不快感を与えるでしょう。サポート業務の対応品質は、対応側の感情に左右される性質があると思います。特に、原因が判明していないトラブルの場合、メーカーサポートは問題解決そのものは保証していない(できない)はずです。解決のための対応(調査)は契約通り行いますが、どうしても原因が特定できなければ、どこかで調査を打ち切るしかありません。
サポート側は、あまりに不快な相手だと「理由をつけて早めに調査を打ち切りたい」という気持ちになると思います。感情で手抜きをするなと言っても、人間である以上は仕方がありません。逆に敬意をもって接して、サポートに「この人の問題を解決してあげたい」と思ってもらえれば、解決する可能性が高まるでしょう。
なお解決を急いでいる場合は、冷静に「障害によってエンドユーザーの○○業務に重大な支障がでているため、緊急で対応をお願いします」のように状況を伝えれば、サポート側も優先度を上げて対応してくれるでしょう(「今すぐ解決」はどう言おうが無理かと)。
NG③ 全責任を負わせようとする
「そちらの製品のせいでエンドユーザーに迷惑を掛けたので、原因調査・対策・再発防止・お客様への説明、全部そちらがやって下さい」みたいにサポート窓口に詰め寄るべきではありません。そのメーカーの不備のせいでエンドユーザーに迷惑を掛けたとしても、契約や製品利用許諾上、そこは補償しないのが普通でしょう(やってたら価格がメチャクチャ高くなる)。
サポートサービス契約も、あらかじめ履行範囲を定めていて(サポート約款などに記載)、それが支払価格と釣り合うと判断したからこそ契約したはずです。あとから契約外のことを要求しても通りません。そればかりか、無茶な要求をするクレーマーと受け取られて、サポートの対応品質を落とすことに繋がってしまいます。
おわりに
今回の記事は以上です。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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