サーバー用OSである Windows Server を適切に扱うためには、様々な機能やその概念、操作方法など、ある程度の知識が必要です。しかし、
○○機能について詳しく知りたいけど、Webに良い情報が見つからないよ~
Microsoftのページは英語の情報しかないし、翻訳しても分かりにくいし…
というように悩むケースが多々あり、なかなか体系的に学べません。
このような場合、やはり書籍が有効です。
私はITベンダーのインフラエンジニアとして、Windows Serverの構築・管理に10年以上携わってきましたが、書籍にも助けられてきました。そんな私が実体験をもとに、おすすめの書籍を2冊紹介します。
Windows Serverをもっと理解したいけど、どの本を選ぶべきか迷っている、という方の判断の手助けになれば幸いです。それでは1冊ずつ紹介していきます。
おすすめ① 「Windows Server テクノロジ入門」シリーズ
最初に、特におすすめするのが「Windows Server テクノロジ入門」シリーズです。紹介が長くなるので、先に要点だけ紹介するとこんな感じです。
Windows Serverがもつ様々な機能を、網羅的かつ深いレベルで解説しているのが最大の特徴です。とりわけ、Webで検索しても日本語で分かりやすく解説しているページにたどり着かないような機能でも、カバーされていることが多く、そのようなケースで役に立ちます。
2022年1月現在では、Windows Server 2022や2019がリリースされていますが、この本の最新版は2016バージョン(改定新版)です。ですが、近年のWindows Serverは完成されてきたためか、バージョンアップしても機能は大きく変わっていません。もちろん、この本の新版がもし発売されたなら、そちらの方が良いでしょうが、Windows Server 2022/2019に対してもこの内容で十分役立つと思います。
私もインフラエンジニアとして、サーバー環境の構築設計をする際、特にこのシリーズの本が役に立ちました(当時は旧版でしたが)。特にリモートアクセス(テレワークみたいなやつ)の仕組みを構築するにあたり、リモートデスクトップサービスの機能を学ぶのに活用しました。当時Webで探しても、いい情報があまり無かったのです。
また、単純にパラパラと読んでいくだけでも、「こんな機能あったんだ」という発見があります。業務に役立てそうなものも多く、ワクワクしたものです。何年も構築・管理しているのでWindows Serverを結構知っているつもりでしたが、そんなことは無く、改めて奥深いと思いました。
なお、深いレベルで解説しているとは書きましたが、あくまで機能の解説です。「本番運用ではこういう落とし穴があるから、こういう設定にするといいよ」というような、実務におけるベストプラクティスは、あまり期待しないほうが良いです。そこまで書かれていたら完璧すぎますが、さすがに求めすぎでしょう。
Windows Serverの各機能の深い知識を必要とする人や、サーバー環境の構成設計をする人には、特にこの本をおすすめします。そうでなくても、Windows Serverを扱う人であれば、早めに一度読んでおくと良いと思います。
その一方で、基礎的な操作についてはあまり触れていないので、初めてWindows Serverに触れる人にはやや不向きかもしれません。まずは浅く素早く学びたい人や、基本操作の丁寧な解説を望む人は、後述の「ひと目でわかる Windows Server」シリーズが適していると思います。もっとも、ある程度分かってくると、この本が欲しくなる可能性があります。ですので、初学者だとしてもこの本を入手しておいて損はないと思います。
Windows Serverの機能は、Webには情報がないというケースが結構多いです。ない情報を探し回っても、時間の無駄になってしまいます。良書を早めに入手して手元に置いておくと、必要な時にすぐに情報を得られて効率的です。それに「こんな機能あったのか、早く知っておけばよかった」という情報もあるかもしれません。ぜひ読んでみて頂ければと思います。
おすすめ② 「ひと目でわかる Windows Server」シリーズ
次に、初めてWindows Serverを扱うという人には、こちらの「ひと目でわかるWindows Server」シリーズもおすすめです。要点はこんな感じです。
この本は前項「テクノロジ入門」シリーズとは違い、各機能の深い内容には触れていない代わりに、基本操作を1ステップずつ画面付きで解説しています。また、例えば「仮想マシンを作成するには?」のように、操作の目的ごとに章分けされており、やりたい操作が探しやすいのも特徴です。
この本の最新版は、2022年1月時点で「2019」バージョンですが、こちらも前項同様に「2022」バージョンを扱う上でも十分役に立つと思います(OSがあまり大きく変わっていないため)。
初めてWindows Serverの構築・管理に携わるとき、「Windows Serverでは何ができるのか知りたい」とか「基本操作から体系的に学びたい」と思うのではないでしょうか。また、LinuxやMacなどをメインで使っていて、Windowsにそれほど慣れない人であれば、基本操作の詳しい説明が欲しいと思います。
前項の「テクノロジ入門」シリーズは基本操作を手厚く解説していないので、それを補う本としてこちらをおすすめします。もっとも、この本がカバーする範囲は、Webでも多く情報が得られるとは思います。しかし、体系立てて素早く学ぶには、このような本で集中してインプットする方が効率がよさそうです。
なので、Windows Serverを初めて扱う前に、この本をざっと眺めて最低限の基礎を学ぶという使い方が適しているのではないかと思います。
一方、既にWindows Serverを長く扱っている人や、既に別の情報媒体で基礎的な内容を学んだ人が、さらに深い知識を得るために読む本としてはおすすめできません。深い内容を知りたくなると、この本では物足りなくなるでしょう。そう感じたらレベルアップのサインだと思いますので、前項の「テクノロジ入門」を読み始めると良いと思います。
私の場合ですが、Windows Serverを実務で数年扱ってからこのシリーズ(当時は2012)を読んだため、さすがに新たな学びは少なかったです。しかし「数年前、初めて扱うときにあれば心強かった」と思いました。
個人的には「テクノロジ入門」シリーズをぜひ読んで欲しいのですが、初学者の人には少しハードルが高いので、その“入門書”としてこちらをおすすめするというスタンスです(タイトルはあちらが「入門」ですが)。
まとめ
長々と2冊の本を紹介しましたが、最後にまとめと補足です。
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