普通のPCにWindows Serverをインストールして、問題なく動いているケースもあると思います。だったらわざわざ高額なサーバー機を買わなくていいのでは?・・・その考えは危険かもしれません。今回はそのリスクや別の案を紹介します。
普通のPCを使いたい理由
Windows ServerというOSは通常、専用のサーバー機にインストールして使用します。しかし、次のような理由で、普通のPCにインストールして使いたいシーンが出てくると思います。
- サーバーのハードウェア費用が高い
- 各地でシステムのデモをするために、Windows Server環境をノートPCに入れて持ち歩きたい
- 余ったPCを活用したい
さて、実際にインストールして使用することはできるでしょうか?
ほとんどは正常に動くと思うが・・・しかし
例えばWindows 10がインストールされていたPCに、Windows Server 2016や2019をインストールしてみると、同じWindowsファミリーということもあって、特にエラーもなく完了するケースが多いと思います。
しかし、実際はメーカーが想定していない動作環境であり、誰も動作保証していないという点に注意が必要です。つまり、いっけん正常動作しているように見えたとしても、例えばデバイスドライバーが原因で動作異常を起こす可能性も考えられます。
これは、製造メーカーの立場になってみるとわかりやすいと思います。PC向けの製品のデバイスドライバーを開発・テストする際、わざわざサーバー用OSを想定するでしょうか?最初から動作対象外としているOSの動作検証をすることは、特にメリットがなく無駄なコストになります。
同じWindowsファミリーのOSだから「たまたま動いている」という状態は、止まったら困る本番システムでは適切ではありません。信頼性の高いサーバー機を選定すべきでしょう。一方、止まっても問題ない検証用途などでは、普通のPCを使うのも(ちゃんと動けば)ありかもしれません。
あとデモ用途の場合、画面をプロジェクターに出力することがあると思います。無理やりノートPCにWindows Serverをインストールしても、ビデオドライバーの問題で外部スクリーンに出力できないと致命的です。
別の選択肢を検討する
メーカーの立場としては「ちゃんとしたサーバー機をご購入下さい」だと思いますが、そうは言ってもコストの問題は無視できませんよね。それにデモ用途のニーズはどうでしょう。ノート型のサーバー機は聞いたことがありません。別の選択肢を考えてみましょう。
VPNでリモート接続する
インターネットVPNなどを利用して、遠隔地のサーバー機に接続する案はどうでしょうか。各地でデモ用にWindows Server環境が欲しい場合でも、普通のPCからVPNで自社のサーバー環境に接続すれば実現できる可能性があります。
「ウチの会社にそんな仕組みないよ」と思っても、リモートワーク用のVPN環境はないでしょうか?ほとんどリモートワークの仕組みと同じですので、それを活用すれば、実現できる可能性もあります。
Hyper-Vを使う
どうしてもノートPCなどにWindows Serverを入れたい場合は、Hyper-Vを使う案もあります。Windows 10 ProであればHyper-Vの機能を使って、Windows Serverを仮想マシンとして動作させることができます(サーバーライセンスは別途必要)。これであれば、デバイスドライバーなどの互換性の問題もクリアできます。デモ用途で、外部スクリーン出力が必須の場合でも、安心できます。
参考:Windows Serverの価格
おわりに
今回の記事は以上です。不備やご意見等ありましたら、下のコメント欄やtwitterからお願いします。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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