「集中力はいらない」書籍紹介/集中力が足りないと悩む人へのヒント

書籍紹介
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自分には集中力が無いんだよな~…

と思ったことはありませんか?

あるいは、仕事や勉強、芸術活動をやっていて「集中力さえ高められれば、もっとよくできるのに」と思ったことはないでしょうか。

今回は、森博嗣氏の著書「集中力はいらない」を紹介します。前述の方はこの本を読むことで、集中力に対する思い込みをなくし、成果を高めるヒントになる可能性があります。

もとだて
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私自身もこの本を読んでどう変わったかを交え、本の内容を紹介していきます。

「一つのことに集中する」のがホントに良いか

集中することは善であり、集中して一つのことを取り組むのは素晴らしいことだ」というような風潮や固定観念が、世の中にあるように思いませんか。この本は冒頭から、その考えに異を唱えています。

タイトルでは「いらない」と断言していますが、こういう新書のタイトルは大げさに言いがちです(その方が売れるのでしょう)。さすがに仕事や勉強に全く集中せず、散漫にやるべきだと主張しているわけではありません。

そうではなく、「着眼」や「発想」が必要な作業では、集中力とは逆のものが重要だと述べています。この集中力とは逆のものを、本では「分散力」(あるいは「アンチ集中力」など)と表現しています。

著者は、一つのことにずっと「集中」するのではなく、複数のことを「分散」して進めるタイプであり、その方が良いと意見しています。例えば、学校の授業の時間割を挙げ、次のように書いています。

学校では、何故、まず一年間は国語、次の一年間は算数という時間割にしないのか、少し考えていただきたい。もし、集中することが善ならば、当然そうした方が頭に入りやすいと思われるが、そうはなっていない。分散し、同時進行することが有効であるとの共通認識が、自然にあったものと思われる。

『集中力はいらない』(森博嗣 著)p99より引用

分散することが重要だとする理由は他にも述べていて、それぞれに説得力があり、納得してしまいます。

著者はひねくれ者?

さてこの著者は、小説『すべてがFになる』などで知られる森 博嗣(もり ひろし)氏です。累計1600万部超の人気作家であり、工学博士です。趣味は機械工作で、自宅の庭に庭園鉄道を自作するほど本格的に打ち込んでいるとのことです。

「集中力はいらない」としつつ、著者は元来より「超短時間でめっちゃ集中する人」みたいです。同書に書かれていたことですが、執筆作業は1日10分で1000文字書き、(すごく疲れるので)そこで終わりにする。これを数週間繰り返して本を書きあげるとのこと。

こんな短期間の集中力は、真似しようと思っても出来る気がしません。一見タイトルと矛盾しているようですが、こういう著者で、発想力が重要な作家だからこそ、分散することが大事だと考えるのでしょう。

この著者は小説だけでなく、この本のような新書も多数著作しています。この本は、もともと「『頭の使い方』や『集中力』について書いてほしい」と依頼されて執筆したそうですが、それで出来きあがったが「集中力はいらない」という内容。

他にも「お金について書いて欲しい」と依頼されて「お金の減らし方」という本を執筆しています。失礼を承知して、こういうひねくれた所があるようで、そこに味があり、面白かったりします。

分散し、並行して進める方が効率的

先に紹介したように、著者は普通の人というよりは、特異な人と言えるでしょう(良い意味で)。著者は優れた功績を挙げていますが、「その思考術・仕事術を真似ることで成果を高める」という趣旨の本ではありません

そういうハウツー本というより、エッセイに近い内容だと思います。しかし、集中力に対する認識の歪みに気づける本です。この気づきによって、成果を高めるヒントがあるのではないでしょうか。

私自身としても、昔は「高いレベルの成果を上げるには、ひたすらに集中することが重要だ」と考えていました。でも思うように集中力が続かないことが多く、その理想と現実のギャップに悩むこともありました。

しかし、この本などを読むうちに考え方が変わってきました。仕事では、一つの作業を何時間も続けるのではなく、小分けにすることを実践してみました。集中力が切れる前にいったん止めて、別の作業に切り替えながら並行して進めてみたのですが、それが当たりでした。全体として作業効率が上がったのです。

私はビジネス書みたいなものが好きで、よく読むのですが、このようなやり方は別の本でも解説されていました。「実践! タイムマネジメント研修」(著:坂本 健 氏)というKindleの本です。こちらでは「クラスタリング」と呼んでいます。複数のタスクを細かく切り替えながら進めると、頭の切り替えるために効率が落ちるのではないかと思いがちです。しかし、我々が思うほど効率は下がらない。それどころか全体としてみると効率は上がる、ということが書かれていたと記憶しています。こちらの書籍もおすすめです。

まとめ

今回は森博嗣氏の「集中力はいらない」という本を紹介しました。

一つのことに集中することが善ではなく、着眼と発想を必要とする活動には、その逆の「分散力」が重要だいう意見が書かれています。そのほか、「仕事が楽しむこと」や「やる気のコントロール方法」などについての意見もあるのですが、これもエッジが効いていて面白かったです。

この著者のようになることは出来なくても、仕事などに対する取り組み方について、多くの学びがある本だと思います。次のような方は、特に参考になるのではないでしょうか。

この本を特におすすめする人
  • 一つのことに集中できない自分が嫌いになりかけている人
  • 発想力が重要な仕事や活動をしている人
  • 重要な仕事を複数抱えていて、同時並行にこなす必要がある人

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