Windows Serverを管理する際のログオンユーザーについて。セキュリティ面以外に、管理に必要なログオン環境を複数メンバーで共有する必要を考えると、悩むことがあります。大規模なシステムではないということを前提として、私が考えて採用している方法を紹介します。
悩みごと
ドメインに参加したWindows Serverについて、複数メンバーで構築・保守する場合、ログオンユーザーはどのユーザーにすべきか?
サーバーによっては、ローカルユーザー(ローカルのAdministratorなど)で済むケースもある。しかし、Webシステムや共有フォルダなどのドメインリソースの認証にドメインユーザーが必要なケースもある。そのようなケースでは、ドメインユーザーでログオンする方が都合がよく、どのユーザーでログオンすべきか迷う。
方策案
次の選択肢について、上から順番に検討していき、可能なものを採用しています。
- ドメインの個人用ユーザー
- ローカルユーザー
- サーバー管理用のドメインユーザー
解説
上の選択肢ごとに、メリット・デメリットを考えていきます。
個人用のドメインユーザー
ドメイン内で、個人毎に割り当てられたユーザーアカウントです。基本的にその個人のみが認証でき、他人は使うことはできません。必ず用意されているかというと、そうでもありません。「他社のサーバーエンジニア」用の個人用ユーザーなんてものが、そもそも用意されていない場合も考えられます。
- メリット
- ドメインリソースにアクセスできる
- 操作ログなどから「誰が何をやったか」を識別しやすい
- デメリット
- 複数メンバーで管理する場合、ユーザー環境(設定)が共有できない
該当するユーザーが使えて、かつ上記デメリットが許容できるなら、まずはこれを採用するのが良いと思います。
共用のローカルユーザー
ドメインユーザーでなく、サーバー毎のローカルユーザーです。ビルトインのAdministratorや、ローカルに追加したユーザーです。該当サーバーにログオンするメンバー全員で、このユーザーを共用します。
- メリット
- 複数メンバーで管理する場合でも、ユーザー環境(設定)が共有できる
- ユーザーアカウントの作成が容易(あるいは不要)
- デメリット
- ドメインリソースにアクセスできない(ドメインユーザーの資格情報の入力が必要)
- 複数メンバーで管理する場合、操作ログなどから「誰が何をやったか」を識別しにくい
- パスワードを知るメンバーが抜ける場合、パスワード変更が必要
個人用のドメインユーザーを使えないなら、実質的には共用のユーザーを使わざる得ないと思います。では、そのユーザーを、ドメインユーザーにするか、ローカルユーザーにするか。ポイントは、ドメインリソースにアクセスする必要があるかどうかです。もし無いなら、ローカルユーザーの方が楽かもしれません。ドメイン管理者に申請が不要ですし・・・。
共用のサーバー管理用ドメインユーザー
ドメインに「○○APサーバー管理ユーザー」みたいなユーザーアカウントを作り、それを使用します。例えばAPサーバーとDBサーバーが別なら、一緒にせず分けて作ったほうが良いと思います。該当サーバーにログオンするメンバー全員で、このユーザーを共用します。
- メリット
- ドメインリソースにアクセスできる
- 複数メンバーで管理する場合でも、ユーザー環境(設定)が共有できる
- デメリット
- 複数メンバーで管理する場合、操作ログなどから「誰が何をやったか」を識別しにくい
- パスワードを知るメンバーが抜ける場合、パスワード変更が必要
- ユーザーアカウントの作成・管理の手間がかかる(申請など)
上の二つで都合が悪ければ、このようなユーザーを作る他ないかと思います。
そのほかの選択肢(NG)
「みんなでドメインのAdministrator(Domain Admins)を使っている」というケースも見られますが、これは避けるべきです。その理由は別記事で解説しています。
補足
サービス実行用とログオン用で別ユーザーにする
システムサービスの実行用ユーザーとして「SYSTEM」や「LOCAL SERVICE」 などがよく使われます。しかし、ドメインリソースの認証のためにドメインユーザーを使うケースがあります。その場合に、ログオン用ユーザーではなく、サービス専用のユーザーを用意する方が良いと思います。
なぜなら、前述のように、メンバー変更時などにログオン用ユーザーのパスワード変更が必要になる可能性があるからです。同じユーザーをサービス用としても使っていると、パスワードを変更したときに動かくなる危険があります。構築時は意識していても、いざその時のメンバーが忘れていることを考えて、あらかじめユーザーを分離しておくのが良いでしょう。
おわりに
今回の記事は以上です。不備やご意見等ありましたら、下のコメント欄やtwitterからお願いします。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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